ドラマ 相続探偵 第5話「京都 老舗和菓子屋の変―後編―」の感想です
老舗和菓子屋「鳳凰」の相続ですが、残されたのがこんな遺言書。
「『鳳凰』という『ブランド』を正臣に、『作業場』と『売り場』を野心に」
名と実を分けるという商売として、うまくいくはずがない内容。
こんなけったいな遺言書を残した紘一氏の真意とは?
前半はコメディですが、後半はウルっと来るハートフルな内容です。
相続探偵 第5話「京都 老舗和菓子屋の変―後編―」のあらすじ
京都 老舗和菓子屋の変の後編です。
老舗和菓子屋「鳳凰」の大将 百万遍紘一氏が遺した遺言。
その内容は「『鳳凰』という『ブランド』を正臣に、『作業場』と『売り場』を野心に」という物。
正臣・野心、それぞれ事業を始めます。
アホぼんと噂されていたお金とブランドを手にした正妻の子・正臣は、鳳凰別館、鳳凰アネックスなど、ブランド名を使った店舗を多店舗展開し、メディアの力も借りて、行列店を作る人気店に。
一方、紘一の弟子として腕は確かだった妾の子・野心は、味には自信があるものの、店名が変わったことや、値段の高さが客に嫌われ、店に閑古鳥がなく状態。
経営に苦しむ野心。
ただ、調子の良かった正臣の店も、味のクオリティの低さを見透かされて、口コミの評判が悪くなってきて・・・。
鳳凰のブランドが分かれたことにより、共倒れの状態となった二つの鳳凰。
こんな状況を招いた紘一氏の遺言、その真意は何か?
ほおっておけない灰江がアフターサービスとして、京都に向かいます。
相続探偵 第5話「京都 老舗和菓子屋の変―後編―」のキャスト
百万遍紘一(65)/大河内 浩
黄綬褒章を受賞する人間国宝級の職人で菓子匠 鳳凰の大将。けったいな遺言書を残す。
百万遍正臣(28)/小関裕太
紘一の嫡男。金と暖簾を相続。
最初は、経営が順調だったものの・・・。
宮越野心(29)/白洲迅
紘一の妾の子。紘一の一番弟子、和菓子の腕は確か。
菓子作りの現場を相続するが、実力は世間が認めるものの、経営には弱く・・・。
宮越多津子(60)/床嶋 佳子
野心の母で鳳凰の従業員。
百万遍雅(60)/山村紅葉
紘一の正妻で正臣の母。
相続探偵 第5話「京都 老舗和菓子屋の変―後編―」の感想
山村紅葉の京都ディスが面白い
序盤は、コメディです。
商売に行き詰まりを感じた正臣と野心。
お互いの母を交えての話し合いは見事です。
今までのうっぷんを晴らすがごとく、正妻・雅と妾・多津子の口ゲンカが面白い。
山村紅葉さんは、生粋の京都人だけあって、京都をもじったディスり方が見事!
やりすぎ?ですが、そのギャップが後半に利いてきます。
令子と母の関係
京都につらい過去がある令子。
父は、医療過誤のレッテルを貼られたまま亡くなり、それが元で母とも溝が生まれます。
ただ、母が胃がんであることを知り、母との関係をもう一度見直します。
漫画ではなかったこのストーリー。
令子は、過去を見直すことができました。
灰江はどうなのでしょうか?
けったいな遺言書の真意※「兄貴!」のセリフがとても良い
口ゲンカをしていた母親たち。
灰江が間に入り、正臣・野心に真意を聞いてみると、意外に冷静だったのは正臣でした。
アホぼんではなく、見聞を広めて、MBAも取得し、一流のビジネスマンとなっていた彼。
未来をしっかり見据えていた正臣は、野心を鳳凰の看板の下につれていきます。
前編で、灰江は、紘一氏を未来を予見できるラプラスの魔に例えました。
正臣は、最後、野心にこう言います。
「兄貴」
このシーンがとても良いです。
母のことを思い、仲たがいするしかなかった二人。
二人とも大事な息子で、二人とも鳳凰の大事な跡取り。
京都人かつ京大で心理学を専攻していた紘一氏の計略が見事はまった瞬間。
でも、この計略は、正臣・野心の二人が子供のときから、考えられていたんだと思います。
灰江の過去が少しずつ明らかに※9億円の賠償金
漫画では、最後に明らかになる灰江の過去ですが、ドラマでは、早めに明らかになります。
フリーライターの羽毛田香が現れ、灰江に過去の記事をちらつかせます。
その内容は、
「乗客30名死亡、遺族に賠償金9億円」
観光バスの転落事故の判決が下され、有限会社「灰江交通」に合計9億円の支払いが命じられた・・・
というもの。
漫画では出てこなかった巨額の賠償金の金額ですね。
まとめ※京都の奥深さが分かる
京都を少しディスりつつ、でも、京都人の奥深さが感じられる回でした。
財産争いだ!争族だ!ではなく、遺志を継ぐところに焦点があたって、ハートフルで良かったです。
あと、灰江の過去も明らかになってきました。
9億円の賠償金の話と、それを肩代わりする灰江の真意。
本当に、灰江が横領をやったのかも気になります。
6話は、銭湯の話。
おじいちゃんのために、孫娘ががんばるお話です。
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