バトルマンガで歴史が超わかる本の感想※戦争が起こる理由と強い国のタイプがわかる

ロシアのウクライナ侵攻が毎日ニュースをにぎわせています。
終わりが見えない戦いが続いています。
どうすれば戦争が終了するのか、そして、なぜ始めたのか?
答えは分かりませんが、歴史を学ぶことで推測することができます。
バトルマンガで歴史が超(すげえ)わかる本は、紀元前から近代そして現代の18のバトルを通して、戦争がどうして始まったか、どう勝敗がついたのかを学べる本です。
歴史の入門書のように思いますが、途中にバトルマンガがあることで、迫力とキャラへの感情移入ができます。
子供への参考書では?と思いがちです。
でも、読んでみると、戦争はどのように起こるのか?そして、どのように対応すべきを感じることができます。
大人でも読み応えのあるよくできた歴史本です。
バトルマンガで歴史が超わかる本
| 作品名 | バトルマンガで歴史が超わかる本 |
|---|---|
| 発売日 | 2022/3/26 |
| 著者 | 茂木誠 |
| 漫画 | 大久保ヤマト |
| 出版社 | 飛鳥新社 |
バトルマンガで歴史が超わかる本の目次
バトル01 ペルシアvsアテネ
民主主義と自由を死守「ペルシア戦争」
バトル02 ローマ帝国vsユダヤ
信仰は武力に屈しない「ユダヤ戦争」
バトル03 ヤマトvs隋帝国
独立国だと認めさせた「遣隋使」
バトル04 唐帝国vsヤマト
独立国家としての決意「白村江の戦い」
バトル05 ムハンマドvs多神教徒
世界史の大勢力が誕生「啓示/聖戦(ジハード)」
バトル06 イスラム教徒vs十字軍(キリスト教徒)
仁義なき聖地争奪戦「エルサレム攻防戦」
バトル07 金vs南宋
平和国家の悲劇「宋金戦争」
バトル08 元(モンゴル帝国)vs日本
モンゴルの侵略を防いだ「文永・弘安の役」
バトル09 オスマン帝国vsビザンツ帝国
交通の要所をめぐる「コンスタンティノープル包囲戦」
バトル10 スペイン人征服者vsアステカ王国
信仰心が欲望を正当化「アメリカ大陸征服」
バトル11 スペイン王国vsイングランド王国(イギリス)
新旧のキリスト教が激突「アルマダの海戦」
バトル12 江戸幕府+オランダvsキリシタン
列強による介入の危機「島原の乱」
バトル13 イギリスvsアメリカ13植民地
植民地が主権を奪取「アメリカ独立戦争」
バトル14 18世紀末
ヨーロッパ諸国vsフランス革命政府
国王から主権を奪取「フランス革命戦争」
バトル15 フランス帝国vsロシア帝国
ヨーロッパ統一に挫折「ナポレオンのロシア遠征」
バトル16 欧米列強+江戸幕府vs日本+長州藩
明治維新のはじまり「下関戦争/倒幕運動」
バトル17 大日本帝国vsロシア帝国
植民地に希望を与えた「日露戦争」
バトル18 大日本帝国vsアメリカ合衆国
太平洋で二大勢力が激突「真珠湾攻撃」
バトルマンガで歴史が超わかる本の感想
本の構成は、会話形式の説明+バトルマンガで分かりやすい
バトルマンガで歴史が超わかる本ですが、歴史入門書として、分かりやすい構成になっています。
18のバトルが書かれていますが、構成はこんな感じす。
①バトル前・・・会話形式でなぜそのバトルが起こったかを解説
②バトル開戦・・・バトルマンガで解説
③バトル後・・・結果と歴史への影響を会話形式で・・
会話をするのは、13歳の中学生の小次郎と、偉大な歴史家の化身であるつきじぃです。
例えば、最初のペルシアvsアテネの場合。
つきじぃがペルシア戦争の解説をします。
日本では縄文時代、中国では春秋戦国時代に、当時のイラン人の国であるアケメネス朝ペルシアことペルシア帝国が、勢力を拡大し、アテネを攻めようとしていました。
当時のアテネは、都市国家ポリスで、一緒に都市を守り、多数決ですべてを決めた民主主義国家。
対するペルシア帝国は、王がすべてを決める独裁国家です。
独裁国家は、王の独断で動くので、大きな国になりがちです。
強大なペルシア帝国に対して、小さな国家の寄り集まりのポリスがどう戦のでしょうか?
ここで、バトルマンガが始まります。
バトルマンガでは、ペルシア王クセルクセス率いるペルシアの大艦隊に対して、小さな船で戦うアテネ海軍の司令官テミストクレスの姿が描かれます。
テミストクレスは、計略を用い、ペルシアを破ります。
しかし・・・という内容です。
そして、バトル後。
テミストクレスは、ペルシアを破った英雄ですが、それを妬んだ市民により、追放されます。
人気者を祭り上げ、飽きると捨てる衆愚政治のことについて書かれています。
流れに沿って話が展開して、漫画で盛り上がるので、話が分かりやすい!そんな本。
衆愚政治などは、分かりづらいですが、漫画も合わせてみると、感情も乗るので、すごく分かります。
見方が変わって面白かった島原の乱
たくさんの話がありますが、個人的に面白かったのは島原の乱です。
教科書では、天草四郎時貞率いる隠れキリシタンが弾圧から逃れるため、反乱をおこした!くらいのことしか書いてません。
でも、実は、キリシタン vs 幕府軍+オランダの戦いでした。
最初に長崎に来たのはポルトガルです。
ポルトガルは、長崎に貿易とキリスト教の布教をするためにやってきます。
スペインやポルトガルが裏で考えていたのは、植民地化です。
彼らは多くの国をこのやり方で植民地化していたのです。
実際、キリスト教に反する仏教徒などを捕まえて、奴隷として売り飛ばしていた事実があるそうです。
これに気づいた豊臣秀吉は、ポルトガルを排除します。
この話は、信長を殺した男〜日輪のデマルカシオン〜にも書かれています。
そして、1600年4月、イギリス人のウィリアム・アダムスが豊後の国に漂着し、徳川家康に謁見します。
同じキリスト教徒ではありますが、イギリスそしてオランダはプロテスタント、スペイン・ポルトガルのカトリックとは違います。
対立する間柄だったのです。
イギリスは、布教を推し進めることなく貿易メインでの交渉だったので、幕府の考えとも合い、徳川幕府は、イギリス・オランダを選びました。
そして、30年後の島原の乱。
カトリック教徒だった隠れキリシタンへの援軍かと思われた外国船は、ポルトガルではなくオランダの船。
オランダに攻撃され、隠れキリシタンは意気消沈し、敗北を喫したと言う結果です。
順番に読んでいると、ローマ帝国 vs ユダヤから始まり、イスラム教徒 vs 十字軍、スペイン人征服者 vs アステカ王国、スペイン王国 vs イングランド王国と、キリスト教の歴史も分かります。
キリスト教の歴史も分かった上でよめるので、島原の乱がカトリック vs プロテスタントの代理戦争っぽいことがすごく分ります。
戦争が起こる理由と強い国が分かる
この本を通して、描かれるのは戦争です。
戦争が起きる理由は、シンプルです。
宗教や民族闘争などもありますが、ほとんどが経済です。
アメリカ独立戦争も、もともとは、イギリスが、植民地状態だったアメリカに、不当な条件で貿易しようとしたことが発端です。
不況等で経済が苦しくなり、その逃げ道として、戦争を起こすことは歴史が証明しています。
そして、いざ戦争となった場合、結果的に強かった国のタイプも描かれています。
それは、自国のために戦う国です。
最初のバトルのアテネも、強大なペルシアに自国を守るために頑張ります。
近代では、戦力差があったアメリカも、自由を勝ち取るため、イギリスを追い払います。
戦うことに意義をもっている国は強く、意義を持たない国は弱い。
これも歴史が証明しています。
この本を読むと、それがすごく分かりますね。
まとめ:現在の状況は過去と似ている
奇しくも、ウクライナでバトルが起こっている状況でのこの本の発売です。
18バトルはありますが、バトルには共通のパターンがあります。
この本を読むと、ウクライナの状況が少し見えてくるような気がします。
そして、日本もこれからどうすれば良いかというのが見えてきそうな気もします。
若干、作者の恣意的な感じも見えますが、言いたいことは分かります。
南宋のようなことにはならないよう、日本もガンバレと言いたいんだろうなと思いますね。





