『黄泉のツガイ』の主人公ユルのツガイ、左右様(さゆうさま)

巨体の岩の体に、角の生えた男女一対の姿。見た瞬間に「何がモデルなんだろう?」と気になりました。

そこで、左右様の読み方・能力・天敵・性格・声優もおさえつつ、モデルとして考えられる4つの説(シーサー/金剛力士像/前鬼・後鬼/道祖神)を考察しました。

黄泉のツガイの左右様とは?東村の入口を守っていた守護神


左右様はもともと、東村の入口を狛犬として守っていた守護神です。

名前のとおり「左」と「右」の二体で一組。見分け方はシンプルで、角の本数と性別です。

左(ひだり)右(みぎ)
1本2本
姿女性男性
一人称わたしわし
声優本田貴子小山力也
相殺する力封(ユル)解(アサ)

左右様の読み方は「さゆうさま」

二体で一組の呼称としては「さゆうさま」と読みます。

ただし、個々を指すときの読み方は違います。二人はお互いを「右の(みぎの)」「左の(ひだりの)」と呼び合っているので、単体で呼ぶ場合は、

  • 左 … ひだり
  • 右 … みぎ

が正解です。作中で二人が呼び合っている呼び方なので、ここは間違いないと思います。

ユルとの関係は「主従」ではなく「対等」

ツガイは基本的に主人の言うことが絶対という関係性ですが、ユルは放任主義。

そのため左右様とユルは、命令する/されるの関係ではなく、ほぼ対等な間柄として描かれます。

400年ぶりに復活した左右様が漏らした「此度の主人は優しい」という一言が、その関係をよく表しています。

ちなみに400年前のあるじがどんな人だったのか気になります。

1600年代なので、戦国時代の武将のような気がします。

ツガイの中でもかなり格上の存在

旧知の仲である手長足長だけでなく、オシラ様など他のツガイからも一目置かれる存在です。

ツガイ社会のなかでも、知名度・地位ともにかなり高いポジションにいると考えられます。

黄泉のツガイの左右様の能力は?銃も効かない最強のツガイ

左右様は二人ともほぼ同じ能力を持っています。

圧倒的な力と頑丈さ

  • 凄まじい怪力
  • 元が岩なので、銃で撃たれてもびくともしない
  • どんな攻撃にも強く、斬られてもボンドでくっつければ治る

「治療=接着」で治りも早いので、まさに最強です。

黒谷ハルオのツガイの亀に動きを止められたことはありましたが、壊すとか倒すとかを考えると、ほぼ不可能な存在に思えます。

嗅覚も鋭い

近くにいるツガイの気配を察知できるだけでなく、血のにおいで「誰が斬られたか」まで判別できます

イワンの刀についた血から、ユルの両親が斬られたと嗅ぎ分けるシーンもありました。

戦闘力だけでなく、索敵役としても優秀です。

形態は人型・石像・獣型の3つ

形態特徴
人型格闘主体。巨体なのに意外と俊敏
石像本来の姿。狛犬として村の入口に立っていた形
獣型金色に光り、空を飛ぶ・噛みつくなど荒々しい戦い方に

唯一「解」と「封」が効かないツガイ

ここが左右様の最大の特異点です。

左右様は、「解」と「封」がまったく効かない唯一のツガイ。ツガイを操るはずの二つの力が、彼らにだけは通用しません。

そしてこの「効かない」という性質は、単なる耐性ではなく、左右様に与えられた役割そのものに直結しています。

黄泉のツガイの左右様の天敵は?「解」と「封」を打ち消す唯一の存在

「左右様 天敵」で調べると混乱しやすいのですが、これは左右様に天敵がいるという話ではありません。

正しくは逆で、左右様こそが、アサとユルの持つ「解」と「封」の天敵という意味です。

誰の、どの力を打ち消すのか

左右様は通常のツガイとは異なり、「昼と夜を分つ双子」の力=「解」と「封」を相殺し、暴走を止めるための役割を持つとされています。

対応関係を整理すると、こうなります。

相殺する力対応する双子手段
アサ口から放つ衝撃波
ユル封を相殺する力を持つ

右さんは、アサの解を打ち消すシーンがありましたね。

「解」と「封」が左右様に効かないのも、当然といえば当然。打ち消すために存在しているのだから、効くはずがないわけです。

今の時点では、右だけが「機能」している

ここが面白いところ。この対応関係、現時点では片方しか噛み合っていません

  • アサは一度死んだことで、すでに「解」の能力を持っている
  • 一方のユルは、まだ「封」の能力を持っていない

つまり、右が相殺すべき「解」はすでにこの世に存在しているのに、左が相殺すべき「封」の使い手は、まだ現れていないという状態です。

左右様が二体で一組であることの意味は、まだ半分しか回収されていない。そう考えると、ユルが「封」を手にする瞬間こそ、左の力が初めて意味を持つときなのかもしれません。

だから「相性の悪い主」

この設定を踏まえると、他のツガイが漏らした「相性の悪い主(あるじ)を見つけた」という一言の重みが変わってきます。

左右様の主人はユル。そしてユルが将来手にするであろう「封」を打ち消せるのが、ほかならぬ左です。

ツガイは本来、主人に従う存在。しかし左右様に限っては、主人の力そのものを無効化できてしまう。守護者でありながら、同時にそのストッパーでもある。この二重性が、左右様というキャラクターの核心です。

ユルが放任主義で、左右様と対等な関係を築いているのも、そもそも力で従わせることが成立しない相手だからだと考えると、妙に腑に落ちます。

黄泉のツガイの左右様の性格と声優

能力はほぼ同じの左右様ですが、性格は違います。

右(声優:小山力也)

一人称は「わし」。

一見しておおらかで豪快な言動ですが、戦いの際には周囲への被害を考慮するなど、細かい心配りができるタイプです。

表情が豊かで、常に勝気な笑みを浮かべているのが印象的。口から衝撃波を放ち、「解」を相殺します。

声優の小山力也さんは、『名探偵コナン』の毛利小五郎、『はじめの一歩』の鷹村守、ドウェイン・ジョンソンの吹き替えを担当。あの豪快さと渋さは、たしかに右にぴったりです。

左(声優:本田貴子)

一人称は「わたし」。

冷静沈着な女戦士。基本は寡黙ですが、やるときはやる、言葉より行動が先に出るタイプです。

性格としてはむしろ左のほうが好戦的で、見た目の印象と中身のギャップが効いています。

声優の本田貴子さんは、『BLEACH』の花刈ジン太、『とっとこハム太郎』ののっぽくん、キャットウーマンやX-MENでのハル・ベリーの吹き替えを担当。少年役から強い女性役まで幅広く、寡黙で好戦的な左の芯の強さにつながっています。

黄泉のツガイの左右様のモデルは?考えられる4つの説


ここからは元ネタの話です。左右様のデザインと設定を、モデルになりそうなモチーフと突き合わせていきます。

説1.シーサー

根拠はこのあたりです。

  • 最初に登場した姿が狛犬
  • ユルとアサの母親の故郷が沖縄県
  • 旧知のツガイ・手長足長から「犬っころ」と呼ばれていた
  • 獣型になったときのシルエットがシーサーっぽい

さらに、配置のルールが一致します。シーサーは仏教の影響で阿吽の対として置かれることが多く、

  • 右側…口を開いたのシーサー。福を招き入れる
  • 左側…口を閉じたのシーサー。あらゆる災難を家に入れない

とされています。右=男性/左=女性という左右様の設定と、きれいに対応しています。

母親の出身地という伏線も含めて、個人的にはこれが本命です。

説2.金剛力士像(仁王様)

右の造形が、東大寺南大門の金剛力士像そのもの。筋骨隆々の体つきがそっくりです。

金剛力士は仏教界の守護神のひとりで、村を守っていた左右様の役割とも一致します。

意味の面でも示唆的です。

  • 阿形像(口を開く)の「阿」…宇宙の起源
  • 吽形像(口を閉じる)の「吽」…物事の終わり

ユルとアサが「夜と昼を分つ双子」と呼ばれるように、左右様もまたはじまりと終わりを体現している。そう読むと、なかなか意味深です。

説3.前鬼・後鬼

修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が従えていたとされる夫婦の鬼が、前鬼・後鬼(ぜんき・ごき)です。

  • 夫の前鬼…赤鬼。役小角の前に立ち、道を切り開く
  • 妻の後鬼…青鬼

「主に付き従う、男女一対の鬼」という構図が、左右様とそのまま重なります。

角が生えた巨体という見た目も鬼のイメージに近く、ツガイ=従える存在という関係性の元ネタとしては、この説が一番しっくりきます。

ちなみに、前鬼・後鬼には、五鬼・五坊と呼ばれる真義、義継、義上、義達、義元の5人の子供もいます。

もしかすると、5人の何かが出てくるかもしれませんね。

説4.道祖神

主に村や道の入口にまつられる神。人の移動にともなう穢れや災厄の侵入を防ぐ役割を担ったとされます。

左右様との一致点は3つ。

  • 入口に立つため、左右セットで作られることが多い
  • 村の守り神
  • 地蔵信仰と相まって、子どもを見守る存在とも言われる

「東村の入口を守っていた」という設定は、この道祖神のあり方そのものです。

さらに道祖神は道の神様として猿田彦神と習合し、その妻とされる天宇受売命(アメノウズメ)と男女一体の形でまつられることもあります。

  • 猿田彦神…天照大神の道案内をした神
  • 天宇受売命…天の岩戸の前で舞を舞った神

左右様が夫婦かどうかは作中で明言されていませんが、左さんはダンスも上手そうな感じがしますよね。

結論:ひとつではなく「複合」の可能性が高い

モデル一致するポイント
シーサー狛犬の姿/沖縄というルーツ/左右=雌雄の対応
金剛力士像右の筋骨隆々な造形/仏教の守護神/阿吽=始まりと終わり
前鬼・後鬼主に従う男女一対の鬼/角のある巨体
道祖神村の入口を守る/左右セット/男女一体

こうして並べると、どれか1つが正解というより、「入口を守る、男女一対の守護神」という共通の型を、複数のモチーフから重ねて作られたキャラクターだと考えるのが自然です。

そしてその共通項は、阿吽=始まりと終わりというモチーフに集約されます。

「解」と「封」、「昼」と「夜」。対になる二つの力という黄泉のツガイのテーマそのものを、左右様は姿で体現しているわけですね。

まとめ:左右様は「入口を守る男女一対の神」の複合

黄泉のツガイの左右様について、モデルと能力をまとめました。

  • 左右様は東村の入口を守っていた守護神で、ユルのツガイ
  • 読み方は二体で「さゆうさま」、単体では左(ひだり)・右(みぎ)
  • 左=角1本・女性、右=角2本・男性
  • 岩の体で銃も効かないうえ、斬られてもボンドで治る最強クラスの耐久力
  • 「解」と「封」が効かない唯一のツガイで、右は「解」(アサ)、左は「封」(ユル)の天敵
  • ただしユルはまだ「封」を持っておらず、左の役割は現時点では未稼働
  • モデルはシーサー・金剛力士像・前鬼と後鬼・道祖神。いずれも「入口を守る男女一対の神」という共通点がある

石像が動き出すだけでも十分インパクトがあるのに、そこに阿吽と道祖神の意味まで乗っている。黄泉のツガイは、こういう作りこみが読み返すほど効いてきます。

→黄泉のツガイのアニメは全24話!何話でどこまで?原作漫画は8巻の終わりまで

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