BECKでおなじみハロルド作石先生の新作バンド漫画が、THE BAND(ザ・バンド)です。
アニメ化、実写映画化と大人気となったBECK。
BECKを過去に担当していた編集者が、音楽漫画はどうですか?と言ったことから、この漫画が始まったとか・・・
BECKから16年経ちましたが、評価の高かった作品。ハロルド作石先生のバンド漫画はやっぱり面白いです!
音楽好きならはまる絶妙な楽曲のチョイスも魅力です。
本日発売の月刊少年マガジンにて予告が出ました、ハロルド作石先生の新作、その名も『THE BAND』!
『BECK』以来のバンド漫画です!!
12月6日発売の月マガ1月号にて連載開始します!!!!!#THE BAND #月マガ #月刊少年マガジン pic.twitter.com/lw4x5h01g3— ハロルド作石作品公式@『THE BAND』連載中! (@7ninnoshake) November 6, 2024
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バンド漫画の金字塔「BECK」完結から16年、ハロルド作石が新連載「THE BAND」で描く新たなバンド物語【インタビュー】/2you
THE BAND(ザ・バンド)の基本情報
漫画名 | THE BAND(ザ・バンド) 1巻 |
---|---|
発売日 | 2025/04/16 |
作者 | ハロルド作石 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊少年マガジン |
漫画アプリ | コミックDAYS、マガポケ |
公式X | https://x.com/7ninnoshake |
THE BAND(ザ・バンド)のあらすじ
主人公は、新木友平。
母に連れられて、小学生のときにSapp Nagoyaで観たはじめてのライブ。
母が、めっちゃ好きなジャスト・キッズを見て、友平は「これと同じこと 俺にもできるんじゃないかって」と直感します。
ただ、その後の友平の人生は過酷。
小学5年生にしては、ハード目のいじめにあっていたり・・・。
唯一の救いは、井畑眞太朗ことマタロー。
音楽の趣味も合い、マタローのお父さんのギターを見て、興奮したりのただ一人の友達。
でも、一年半で引っ越してしまう。
中学生になっても、過酷な状態は継続、いじめは続き、橋の上から飛び降りろと言われて骨折するも、動画を編集されて武勇伝のように拡散される。
それもあって、中2の後半は、不登校。
ジャスト・キッズが好きだった母も亡くなっている。
でも、いじめ動画を見たことをきっかけに、マタローが会いに来る。
40代無職の叔父マコチャンからもらった月形の変なギターを練習していた友平を見て、軽音部のマタローはギターを教えてくれることに。
ギターと友達を再び手に入れた友平の青春が始まります!
THE BAND(ザ・バンド)の登場人物
新木友平(あらきゆうへい)
主人公。
マコチャンからもらった月形のギター(カワイのムーンサルト)を手に入れ、ギターの楽しさを知る。
紅林高校に進学。
ギター。
井畑眞太朗(いばたしんたろう)
友平の親友で、あだ名はマタロー。
中学で塾に通って、進学校の吉見高校に通う秀才。
中学、高校と軽音部。
高校の軽音部では、DUNEというバンドで一目置かれるくらいにギターが上手い。
ギター。
八木結衣花
マタローの中学時代の同級生で軽音部部長。
高校は友平と同じで、ここでも軽音部の部長。
ヒロイン?
ギター。
渡会香澄
一樹学園のヤバいドラム。
素行もヤバい。
新木理乃
友平のお姉ちゃん
マコチャン
友平にギターを譲る叔父さん。
東京の有名な会社で働いたけど、訳あって無職でニート。
料理が上手で、新木兄弟に、和風カレーとかをごちそうしてくれる。
関根龍太
マタローの中学のときの同級生で同じ軽音部。
一緒にバンドをやろうとマタローを誘う。
ベース&ボーカル。
関根源士
龍太の弟。
ドラム。
吉田先生
紅林高校軽音部の顧問。
樫中
反軽音部同盟の一員だが、ちょっとスパイ。
古林
反軽音部同盟の一員。
皆藤
反軽音部同盟の一員。
THE BAND(ザ・バンド)の感想
友平が親友とギターを手に入れ成長する姿がエモい
BECKのハロルド作石先生の漫画だけに、バンド漫画としての王道感が半端ないです。
友平は、ハードないじめにあっていました。
クラスの支配層のヒロム軍団が、韻をふんでdisってきたりと、ヒップホップにバンドが虐げられがちなのは令和風。
でも、マタローと出会い、ギターを手に入れたことで、変わります。
マタローの引っ越しで、いったん疎遠になりますが、中学に入ってもいじめられていた友平をマタローは見逃しません。
駅で3駅、自転車で1時間半かけて、塾帰りにマタローは会いに来ます。
一緒にギターを弾く生活がまた始まります。
そして、そこから初めてのライブ。
ベースとボーカル、ギターができるとの振れ込みの関根兄弟発案で、バンド名は龍源砲。
プロレス好きなら懐かしい天龍源一郎と阿修羅・原が組んでいたタッグチーム名ですね。
ま、関根兄弟はUSJに行くので、ライブには参加せず、友平、マタロー、軽音部部長の八木さんで、最初のライブ(と言っても商店街の余興ですが)に挑みます。
地獄のような出来のライブですが、彼らにとっては思い出のライブ。
下手くそな友平のギターですが、マタローいわく「なんか持ってそう・・・」。
高校に入って、日が空きますが、軽音部のライブをきっかけに、また、マタローと会います。
1巻では、まだバンドの形にもなっていませんが、友平とマタローは、ギターや音楽を通じて、つながります。
後半、クセも性格も強めなドラムのカスミンが登場。
カスミンもギターのうまさではなく、何かで友平とつながります。
友達とギターとバンドがつながって、少しずつ成長していく姿がとにかくエモいです。
絶妙な楽曲のセンス
ハロルド先生は、そうとう音楽好きっぽく、THE BANDに登場する楽曲のセンスが抜群です。
単にかっこいいからとかで選んでいるのでなく、曲を聴くと考え深かったり、ネタか?と思ったり、とにかくセンスが良いです。
面白いのは、メインで出てくるバンド、Hump Back、Green day、Nirvirnaが、すべてギターボーカルの3ピースバンドってこと。
ちなみに、最初に登場するジャスト・キッズもシルエットを見ると、3ピースです。
友平たちは、ギターボーカル、ベース、ドラムの3ピースバンドを組むのかもしれません。
あと、気になるのが、ジャスト・キッズの不満の冬です。
漫画の最初に登場する友平の母が好きだった曲で、友平とマタローをつないだ曲。
一樹学園、祖父江高校の軽音部と合同の学園祭フェスで、反軽音部同盟として演奏するのもこの曲で、反軽音部同盟に入るきっかけになったのもジャスト・キッズ。
ただ、この曲は、元ネタが何かもわかりません。
ジャスト・キッズというパンクバンドがあったみたいですが、不満の冬って曲は出してなさそう・・・
ちなみに、不満の冬は、ウィキペディアに、1978年から1979年のイギリスの冬のことで、当時のイギリスの首相のジェームズ・キャラハンがシェイクスピアのリチャード三世の冒頭になぞらえて演説をしたと書いてありました。
これからもどんなバンドの曲が出てくるのか楽しみです。
路地屋錦人を考察
1巻の最後、文化交流会館の学園祭フェスでスペシャルゲストして登場するのが路地屋錦人です。
学園祭フェスが終わった後は、友平は彼に呼ばれて、路地屋錦人賞をもらいます。
ジャスト・キッズのバンド名を由来知っているので、元ジャスト・キッズぽい気もします。
彼から、
でも終わってみると
君のギターしか記憶に残っていない
と意味深な発言もあり、重要人物っぽいですが、この人も、モデルとなるアーティストが分かりません。
強引な考察ですが、カタカナにすると、ロジヤキントで、ロジャー・キント。
検索すると、1995年に公開されて、カルト的人気があった映画「ユージュアル・サスペクツ」に、ケヴィン・スペイシーが演じたのが、ロジャー・ヴァーバル・キントです。
ストーリーの最初から出てくるんですが、実は黒幕だった男。
路地屋錦人は、良い意味でも悪い意味でも、すべてを知っている黒幕のような気がします。
THE BAMDに登場するバンドと曲
THE BANDに出てくるバンドと曲の紹介です。
曲を知ってから漫画を読むとグッときます。
特にHump Backは、良いです!
Hump Back – 拝啓、少年よ
友平がいじめられている動画を見て、会いに来たマタローが、友平の変なギターで弾いたのがHump Backの拝啓、少年よです。
3ピースのガールズロックバンド、Hump Backのデビュー曲であり、神曲。
漫画では、「ああもう泣かないで~」から歌詞が書いてあります。
友平を励ます感じだからでしょうが、この曲の最初の「夢はもう見ないのかい?」がバンドが始まるって感じでとても良いです。
Green Day – American Idiot(アメリカンイディオット)
龍源砲で最初に弾いたのが、Green DayのAmerican Idiotです。
3ピースのメロコアバンドの雄、グリーンデイの人気曲のひとつで、ギターリフがかっこいい曲。
馬鹿なアメリカ人って意味で、サブリミナル効果で、アメリカは馬鹿になってるみたいな内容。
地味な今のトランプ政権を風刺しているような内容で大人っぽいです。
Nirvirna – Lithium(リチウム)
3ピースグランジロックの雄、ニルバーナの代表曲のリチウムです。
ボーカルのカート・コバーンは絶頂期に猟銃自殺して、伝説となりました。
リチウムは、精神疾患で処方されるお薬の名前。
歌詞はシンプルで薬サイコー、でも、やりたくない。みたいな内容です。
龍源砲での2曲目に、商店街のみなさんの手拍子をリズムに、友平とマタローの2人で演奏するんですが、ま、中学生が商店街でやる曲ではないですね。
GO!GO!7188 – ジェットにんぢん
紅林高校の正軽音部の八木部長が率いるスウィート・シロップが演奏するのがGO!GO!7188 – ジェットにんぢん。
GO!GO!7188 は、3ピースバンドで、ギター・ボーカルのユウ、ベースのあっこ、ドラムのターキーの女2男1の構成。
2012年に解散してしまいましたが、ジェットにんぢんは、わけわからないタイトルですが、すごくノリが良い曲です。
THE BANDとBECKの関係は?
読売テレビの漫画紹介番組「マンガ沼」の漫画家ガチアンケートのコーナーで、ハロルド作石先生が登場して、THE BANDの紹介をしていたのですが、そこで、意味深な話がありました。
それは、BECKのキャラがTHE BANDに登場する構想があるとのことでした。
連載を読んでいるのですが、まだ出てきてなくて、編集者にもつたわってなくて、まだハロルド作石先生の頭の中にあるだけのようです。
BECKのメンバーは、ギター・ボーカルのコユキ、リードギターのレイこと竜介、ボーカル・MCの千葉、ベースの平、ドラムのサクです。
誰が出るのか分かりませんし、もしかしたら、ツギハギ犬のベック、竜介の妹の真帆、グレイトフル・サウンド主催のオバちゃんあたりかもしれません。
ただ、楽しみです。
まとめ:どんなバンドを組むのか楽しみ!
月刊少年マガジンの1話を連載で読んだ時から、単行本出たら絶対買うと思っていた漫画です。
BECKを彷彿とさせるエモい気持ちでいっぱいになるバンド漫画。
時代背景をラップグループに虐げられたりと令和チックにしながらも、ギターに触れて、友達に触れて、好きなことを取り戻していく友平な姿がエモいです。
まだ、バンドメンバーが揃ったわけではないですし、見つけたドラムのカスミンも、正式バンドメンバーになった感はありません。
また、楽曲などに出てくるバンドがギターボーカルの3ピースロックバンドばかり。
組むバンドもそうなりそうですが、友平はギターはうまいけど歌は下手で、マタローの方がギターボーカルには適役で、ベースがいません。
友平がベースに転向するのか、それとも新しいベースをいれるのか、3ピースでもないのか?
ま、勝手な考察はしないで、ゆっくり楽しみたいと思います。
