ひゃくえむ。の日本陸上、準決勝第2組。

絶対王者の財津、記録の小宮、そしてトガシの先輩である海棠(かいどう)。

この3人がそろったレースで、海棠がつぶやくのが「財津か小宮か」です。

短い言葉ですが、海棠という選手のすべてが詰まっています。この言葉の意味と、財津が引退した理由、そして財津と海棠の関係をまとめました。

 財津海棠
読み方ざいつかいどう
立場日本陸上界の絶対王者トガシの先輩、万年2位
初登場4巻5巻
象徴する言葉浅く考えろ、世の中舐めろ
保身に走るな、勝っても攻めろ
俺は俺を認める
準決勝第2組敗退財津と小宮を抜いて勝利
その後引退決勝へ進出

ひゃくえむ。「財津か小宮か」日本陸上・準決勝第2組の場面

「財津か小宮か」は、第37話、日本陸上の準決勝第2組を前に、海棠が口にする言葉です。
ちなみに、ひゃくえむ。のアニメ映画では、海棠を津田健次郎さんが演じて、このセリフを言ってました!

準決勝第2組のレーンと出走選手

このレースに、財津、小宮、海棠がそろいます。

コマから判断できる範囲では、レーンはこうなっています。

レーン選手
4レーン小宮
5レーン財津
6レーン海棠
7レーンサイキ

※ほかにも選手は走っていますが、コマで名前が分かるのはこの4人です。

長く陸上界の頂点に君臨してきた財津。記録を追い続けてきた小宮。そして、その2人にはさまれる形で海棠が並びます。

顔ぶれとしては、この上ない準決勝です。

世間の予想は「財津か小宮か」で埋め尽くされた

絶対王者の財津に、記録の小宮。

大方の予想は、この2人でした。世間の声は、このレースは「財津か小宮か」で埋め尽くされます。

絶対王者財津と海外に行って、今が全盛期の小宮。

ここが実質的な決勝では?との世間の声もあります。

その中で、海棠が言うのがこの言葉「財津か小宮か」です。

「蚊帳の外か 寂しいね」と言った海棠の心情

海棠は続けて、こう言います。

蚊帳の外か
寂しいね

同じレースを走るのに、自分の名前が挙がらない。

「注目されなくて悲しい」という話ではありません。

海棠にとって、ライバルは財津ただ一人です。

それなのに世間は、自分を差し置いて、財津のライバルの席に小宮を置いた。

自分と財津の15年を、外から勝手に上書きされたようなものです。

現実から逃避する

ただ、それに反発するのが海棠の熱いところ。この直後のレースで、海棠は財津も小宮も抜き去ります。

アニメでも、津田健次郎さんの声で言ってました!

現実から逃げようか

世間から、財津か小宮かと、蚊帳の外に置かれた海棠ですが、日本陸上の準決勝で、はじめて現実逃避に成功します!

財津とは?ひゃくえむ。の絶対王者

財津は、日本の陸上界のトップに君臨し続けてきた選手です。

陸上界の頂点に君臨し続けた男

トガシも、小宮も、海棠も、全員が財津を追いかける側でした。

「絶対王者」という言葉がそのまま当てはまる存在です。

麒麟の川島さんもマンガ沼でこの作品をすすめていましたが、財津が言っている言葉はすべてが名言と言っていいくらい、印象に残るセリフを残しています。

西沢高校の講演で小宮を変える

財津が登場するのは、第28話、小宮が通う西沢高校での講演です。

講演の前に、教頭先生らしき人が「高校は成熟した人格形成を目指す場でもあります・・・」と挨拶をします。

そこに財津が言い放ちます。

浅く考えろ、世の中舐めろ、保身に走るな、勝っても攻めろ
以上 では質問どうぞ

圧巻です。

さらに、小学生時代の骨折がトラウマでトップスピードを出せない小宮が、その不安をぶつけたときにはこう返します。

結論から言うと、不安は対処すべきではない・・・
不安とは君自信が君を試すときの感情だ

栄光(もくてき)を前に対価を差し出さなきゃならない時
ちっぽけな細胞の寄せ集め1人、人生なんてくれてやれ

小宮はこれで吹っ切れます。財津は、小宮の走り方を決定づけた人物でもあります。

財津を象徴する一言

財津を一言で表すなら、やはりこれです。

浅く考えろ、世の中舐めろ、保身に走るな、勝っても攻めろ

守りに入らず、攻め続ける。頂点に立ち続けた人間の言葉です。

財津の名言は、ほかにもたくさんあります。

→ひゃくえむ。の名言まとめ※財津、トガシ、小宮、海棠の名言と名シーンを巻ごとに掲載

海棠(かいどう)とは?トガシの実業団の先輩

海棠は、実業団でのトガシの先輩にあたる選手です。

海棠の読み方は「かいどう」

「海棠」と書いてかいどうと読みます。

読みづらい名前なので、ひらがなで検索する人も多い選手です。

なお、正しい表記は「海棠」で、「海堂」ではありません。

変換で出にくい漢字なので、間違えられることが多いようです。

財津に勝てない現実を抱え続けた選手

海棠は、財津と出会ってから15年間、勝てない現実を見せられ続けてきました。

走ることに行き詰まったトガシが相談したとき、海棠はその現実をこう並べます。

いつも最後の直線で負ける現実
万年2位と言われる現実
1秒1秒老いていく現実

現実は勝手に消えてくれない

普通なら、ここで折れます。

でも海棠は違います。

とうの俺は 次こそ俺が勝つと信じ切れてる
なぜかわかるか
現実は逃避できるからだ
現実ごときが俺の意志には追い付けない・・・

いくら負けても、自分の中では、いつかその現実から逃避できる。つまり勝てる、と言っているのです。

海棠を象徴する一言

その海棠が言い切るのが、この言葉です。

たとえどんな正論 洞察 真理 啓蒙をふりかざそうと
俺は俺を認める

誰が何と言おうと、どんな正論を並べられようと、自分が勝つと信じる。

負けを認めなければ、負けではない。

自分より体力が劣る先輩からこの言葉を言われて、トガシの心に響かないわけがありません。

→ひゃくえむ。の名言まとめ※財津、トガシ、小宮、海棠の名言と名シーンを巻ごとに掲載

財津の引退理由

絶対王者だった財津は、この日本陸上を最後に引退します。

準決勝で海棠に敗れる

準決勝第2組。

世間が「財津か小宮か」と言っていたそのレースで、海棠が財津を抜きます。そして小宮も抜き去ります。

絶対王者だった財津が、破れました。

「1位を生み出せるのは対戦相手だけ」という財津の言葉

財津は、この世で1位を生み出せるのは、ただ1つ、対戦相手だけだと言います。

1位という称号は、自分ひとりでは作れない。誰かと競って、その誰かに勝ってはじめて生まれるものだということです。

では、財津にとっての「対戦相手」は誰だったのか。

それは、海棠のことだったのかもしれません。

財津は、小宮との話で、

絶対王者などという称号と引き換えに
闘争心を失った

とも言っていました。

作中で引退の理由がはっきり説明されるわけではありませんが、最大のライバルである海棠に敗れたことが引き金になったのだと思います。

財津の笑い

海棠に敗れて、財津は5着となります。

財津5着!と言われて、財津は、フッと笑います。

ここが、財津が引退を決めた瞬間のように思います。

海棠に勝てなかったという事実と、それに笑ってしまった自分の気持ち。その2つが引退を決意させたのではないでしょうか。

海棠とのライバル関係が終わった瞬間だったのかもしれません。

引退後に記者へ語った「極上の10秒を味わえ」

決勝を前に、引退した財津は記者たちから「将来のスプリンターにメッセージを」と促されます。

財津は言います。

100mは一瞬に人生を凝縮させる・・・
極上の10秒を味わえ

最後まで財津の言葉でした。

なお、この決勝でトガシと小宮のどちらが勝ったのかについては、別の記事にまとめています。

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財津と海棠の関係

ここが、ひゃくえむ。の面白いところです。

海棠にとってライバルは財津ただ一人

世間がどう見ていようと、海棠のライバルは財津でした。

だから「財津か小宮か」という言葉に、海棠は反応します。

小宮がどれだけ記録を出そうと、海棠にとっては関係のない話です。自分が15年追いかけてきたのは財津なのですから。

現実は逃避できる ― 負け続けても勝てると信じる海棠

勝てない。それでも次は勝つと信じる。

この矛盾を抱え続けられるのが海棠の強さです。

そして準決勝で、その「いつか」が来ました。

財津と海棠は、トガシと小宮の関係に似ている

財津と海棠の関係は、トガシと小宮の関係によく似ています。

トガシと小宮は、真逆の動機を持ったライバル同士でした。

財津と海棠も同じです。頂点に立ち続けた男と、その背中を追い続けた男。

そして、世間が何を言おうと、海棠のライバルは財津であり、財津のライバルは海棠でした。

ひゃくえむ。という作品が、2人ひと組の関係を何度も描いていることが分かります。

まとめ:「財津か小宮か」は海棠の宣戦布告

ひゃくえむ。の「財津か小宮か」についてまとめました。

  • 日本陸上・準決勝第2組を前に、海棠が言った言葉
  • 世間が財津と小宮の一騎打ちと決めつけたことへの反発
  • 海棠にとってライバルは財津ただ一人だった
  • そして海棠は、そのレースで財津と小宮を抜き去る
  • 財津の引退は、その海棠に敗れたことが引き金だと考えられる

たった一言ですが、海棠という選手の15年が詰まった言葉です。

財津と海棠、それぞれの名言は、こちらにまとめています。

→ひゃくえむ。の名言まとめ※財津、トガシ、小宮、海棠の名言と名シーンを巻ごとに掲載

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