麒麟の川島さんがマンガ沼で、強烈に推していた漫画がひゃくえむ。です。
テレビを見て、この本を読み始めたのですが、確かに熱いです。
その熱さの理由の一つが名言です。
主人公のトガシ、ライバルの小宮、そして絶対王者の財津。
名言が出るところには、名シーンがあります。
そんなひゃくえむ。の名言と名シーンを、掲載巻と共に紹介します。
ひゃくえむ。1巻の名言
ひゃくえむ。の1巻は、主人公トガシと永遠のライバル小宮が小学生で出会うところです。
最終5巻にも通じる名言も登場します。
100mだけ誰よりも速ければ全部解決する(1話/トガシ)
日本一走りが速い小学生のトガシが、現実から逃れるためだけに走る転校生の小宮に向けて言う名言が「100mだけ誰よりも速ければ全部解決する」です。
今更、2~3秒速くなっても?
という小宮に、
他人との差が2~3秒もあったら、難しいことは全部吹っ飛ぶ
俺、そうだし
と言うのがトガシです。
小学生らしい理論です。
人生に色々な目標を持つ人は多いと思いますが、他人からみたら馬鹿げたことかもしれません。
でも、これぐらい、シンプルな目標を持つことが逆に大事かもしれません。
ただ、トガシを狂わせます。
最終巻の5巻にも登場する大事な言葉です。
僕でも一瞬なら栄光を掴める(3話/小宮)
中学陸上NO.1の仁神タケルに、小宮が言う名言が「僕でも一瞬なら栄光を掴める」です。
仁神は、小宮に対して、
君は走るのをやめた方がいい、
破滅するまで走り続ける、
いつか陸上に殺される
と言います。
それに、対し、小学生の小宮は、一瞬のために人生を捨てる覚悟を見せます。
仁神も、陸上に生きるなら絶対を目指さなければならないと、アスリートとして当たり前の考えを持っています。
でも、ここまでの覚悟は出来ていません。
普通の人は、ここまでの覚悟はありません。
それに、小宮はまだ小学生です。
小宮の覚悟はすさまじいです。

ひゃくえむ。2巻の名言
100mの速さに衰えを感じ、陸上競技から逃げようと公立の無名校に入ったトガシの高校時代が舞台です。
トガシは自信を失っていますが、虐げられてもがんばるほかの陸上部員を見て、徐々に自分を取り戻します。
凄い。(10話/浅草)
陸上部員の浅草さんが、トガシの走りを見て言う名言が「凄い。」です。
自分の衰えを感じて、自信を失ったトガシ。
高校生になった彼は、陸上から逃げる様に生きています。
そんな中、暴行事件などがあり、陸上部は、部員が2人のみ。
それでもがんばっている部員の浅草さんに、1回だけ100mを走っている姿を見せてと言われ、久しぶりの全力疾走します。
その姿を見て、浅草さんが
凄い。
と言います。
単純なガンバレには、ありがたみを感じないかもしれません。
でも、ホンモノの言葉には、重さを感じます。
トガシも陸上のレースで、なんどもガンバレとかスゴイと言われているはずです。
でも、毎日、地道に努力を続けている浅草さんの言葉だから重いのです。
実際、トガシはこれで変わります。
誰が言うかで、言葉の意味って変わりますよね。
だから俺が絶対に勝たせる(15話/トガシ)
アメフト部との対抗リレーに、陸上部員の貞弘を誘う時の名言が「だから俺が絶対に勝たせる」です。
貞弘は、アメフト部にパシリにされています。
アメフト部は、陸上部を廃部に追い込もうと、やりたい邦題。
自信を失い、実力もそれほどない、普通の人間である貞弘に対して、トガシが言います。
俺は速い!そこらの高校生とは格が違う!
だから俺が絶対に勝たせる
あんたらの人生変えてやるから黙って付いて来いと言ってんだ!
めちゃくちゃかっこいいです。
傲慢で、自分勝手で、わがままです。
でも、リーダーや上に立つ人間は、これくらいの気持ちで、下を引っ張らないと、いけません。
そして、これが言えるくらいの実力と自信をつけなくてはいけません。
実際、この言葉で貞弘は動きます。
とりあえず練習はする(16話/貞弘)
やる気になった貞弘が言う名言が「とりあえず練習はする」です。
やる気になった貞弘は、前向きです。
アメフト部の対抗リレーが決まっても、条件は不利。
部長もまだ戻って来ず、レースもできるかどうか分かりません。
浅草さんの「私達 今更 練習して勝てると思う?」に、貞弘がこう返します。
とりあえず練習はする
どんな状況でも、とりあえずやる!
やるときに、マイナスのこと考えてもしょうがありません。

ひゃくえむ。3巻の名言
3巻のメインは、仁神です。
トガシと小宮が小学生の時に、中学陸上界のトップとして、現れ、トガシの才能と、小宮の怖さを見抜いた彼。
ただ、高校に入り、伸び悩み、自信をなくし、ドン底に落ちていました。
そこをトガシに救われ、尊厳を勝ち取るため、アメフト部との対抗リレーに挑みます。
「日常の差」で勝つ(22話/浅草さんの友達)
中学時代に、浅草さんと同じ陸上部だった友達が言う言葉が「日常の差で勝つ」です。
アメフト部の男子に、リードを許した浅草さんですが、50m以降、差をつめます。
毎日、真面目に練習していた成果で、ダッシュに勝るアメフト部男子をスタミナで追いつめます。
日常の差を見せれるよう、毎日やらないといけません。
諦念が俺の背中を押す!押さす!(25話/仁神)
リレー中に脚を故障したトガシからバトンを受け取った仁神の名言が「諦念が俺の背中を押す!押さす!」です。
予定より早くバトンを受取り、100mも長く走ることになった仁神。
しかも最後の相手は、陸上部をやめるきっかけとなった元陸上部でアメフト部に行った柏木。
差が広がり、執念で走っても届かない中で、父の言葉を思い出します。
一度 諦めた人間は何度でも諦める
執念さえ燃料切れになった仁神は、ここで、諦念(ていねん:あきらめのきょうち)を燃料にして走ります。
今までの諦め、失落!挫折!放棄!怠惰!などの感情で背中を押させます。
誰でも諦めや失望などネガティブな感情を持つことがありますが、やるときは、その感情すら使って前に進む。
逆境で人が伸びるのは、こういう心境だからかもしれません。

ひゃくえむ。4巻の名言
ひゃくえむ。4巻のメインは、小宮です。
トガシとのガチ対決で、ケガをした小宮は、中学時代は個人で練習。
満を持して、九州で名門の西沢高校の陸上部に入ります。
先輩からの妬みもありますが、それでも、小宮は自分を貫きます。
その原動力となる名言を言うのが、陸上のトップに君臨する財津です。
麒麟の川島さんもおすすめしていましたが、財津が言ってる言葉はすべてが名言です。
浅く考えろ世の中舐めろ 保身に走るな勝っても攻めろ(28話/財津)
西沢高校に講演に来た、財津選手が、講演の冒頭に言う名言が「浅く考えろ世の中舐めろ 保身に走るな勝っても攻めろ」です。
講演の前に、教頭先生らしき人が、「高校は成熟した人格形成を目指す場でもあります・・・」みたいなことを言います。
そこに、財津が
浅く考えろ世の中舐めろ 保身に走るな勝っても攻めろ
以上 では質問どうぞ
と、言いのけます。
圧巻です。
世間は人に向かって、分かっていない頭でいろいろ言います。
特に、漫才師、デザイナーなど、クリエイターな人は、自分で良いと思って作ったものを安易に否定されがちです。
出来が良くても悪くても、浅い頭で批評します。
どれくらの時間や労力をさいてきたのかも知らずに・・・
そう感じてる人にこの言葉は響くはずです。
この言葉が響くなら、マキシマム・ザ・ホルモンの予襲復讐も響くはずです。
ちっぽけな細胞の寄せ集め1人 人生なんてくれてやれ(28話/財津)
小宮は、高校生で本格的に陸上を始めるも、小学生時代の骨折がトラウマとなり、トップスピードで走ることができません。
その不安をぶつけた時の財津の名言が「ちっぽけな細胞の寄せ集め1人 人生なんてくれてやれ」です。
財津は言います。
結論から言うと、不安は対処すべきではない・・・
不安とは君自信が君を試すときの感情だ
栄光(もくてき)を前に対価を差し出さなきゃならない時
ちっぽけな細胞の寄せ集め1人、人生なんてくれてやれ
小宮はこれで吹っ切れます。
仁神には、陸上に殺されると言われ、陸上部の先輩の経田(つねだ)には、人生をたいせつにしろよと言われます。
ただ、小宮はそれより、人生なんてくれてやれに惹かれます。
何かを成し遂げる天才たちは、凡人には理解できません。
目的のために、自分の人生を差し出す、もしくは、差し出せる人に、栄光は輝きます。

ひゃくえむ。5巻の名言
ひゃくえむ。5巻は、社会人時代の話です。
実業団に入り、トガシ、小宮、財津、そして、トガシの先輩の海棠がしのぎを削ります。
俺は俺を認める(33話/海棠)
走ることに行き詰ったトガシが先輩の海棠(かいどう)に相談したときの名言が「俺は俺を認める」です。
海棠は言います。
現実は勝手に消えてくれない
海棠の言う現実とは、常に1位に居続ける財津のことです。
財津と出会って、15年間、現実を見せられ続けます。
いつも最後の直線で負ける現実
万年2位と言われる現実
1秒1秒老いていく現実
それでも、
とうの俺は 次こそ俺が勝つと信じ切れてる
なぜかわかるか
現実は逃避できるからだ
現実ごときが俺の意志には追い付けない・・・
たとえどんな正論 洞察 真理 啓蒙をふりかざそうと
俺は俺を認める
と海棠は言います。
抽象的ですが、現実を失敗か敗北に読みかえると分かりやすいかもしれません。
誰が何と言おうと、どんな正論を言われようとも、成功すると思ったら成功すると自分が信じること。
負けを認めなければ、負けではありません。
自分より体力が劣る先輩からこの言葉を言われて、トガシの心に響かないわけないです。
俺がまだ走りたいんだ(35話/トガシ)
海棠の言葉で、何かをつかんだトガシの名言が「俺がまだ走りたいんだ」です。
日本陸上の切符を手にしますが、肉離れをおこし、実業団からクビを宣告されます。
絶望の中、公園でたたずむトガシの前に、運動会の練習をする小学生が現れます。
彼に走りのコツを教える中、クビと言う現実が彼を襲います。
そこで気づきます。
陸上選手を辞めてもいい、新しい人生を送ってもいいとも思っていた彼ですが、その現実を認めることはできません。
誰が望まなくても!
人に迷惑をかけても!
世界が終わろうと!
現実が道を塞ごうと!
俺がまだ走りたいんだッ!
俺だけはまだ!勝ちたいんだ!
外から見ると、まだ頑張るの?と思うスポーツ選手がいます。
終わる選手も入れば、最後のひと花を咲かす選手もいます。
チームが引退勧告をしても、ほかのチームで現役を続行する選手も多いです。
トガシのこの言葉を聞くと、気持ちが分かるような気がします。
俺がどう思うか!
自分の目的のためには、傲慢さも必要です。
100mだけ誰よりも速ければ全部解決する(38話/トガシ)
1巻に登場した名言「100mだけ誰よりも速ければ全部解決する」ですが、最終巻では違う意味になります。
純粋に記録を追い続けてきた小宮ですが、海棠に負けたことで、自分を見失います。
小宮はトガシに言います。
僕らは一体、何の為に走ってるんだ
トガシは言います。
真剣(ガチ)になるため
真剣になる幸福に不安は勝てないと言います。
しかし、小宮は、そんなことを思ったことがない、虚しいと言います。
そこで、この言葉です。
この世には単純なルールがあったはずだ
それによると
100mだけ誰よりも速ければ全部解決する
陸上選手と言う仕事なので、実際、そうです。
でも、トガシが言いたいのは、本気で走れば、全てが吹き飛ぶ
100mを本気で走れば、そんな景色を見れるということです。
仕事や家庭、親子関係など、複雑なことがあります。
でも、この言葉ぐらいシンプルに考えられることが必要な気がします。
100mだけ誰よりも速ければ全部解決するんです!

まとめ:本当の名言は、最後に
ひゃくえむ。は、名言だらけの漫画です。
独断で選びましたが、ほかの言葉を名言と思う人もいると思います。
ただ、本当の名言は、ひゃくえむの最後かもしれません。
俺の名はトガシ
どこにでもいる普通の人間だ
ただ1つ変わったことがあるとすれば・・・
ひゃくえむ。を読んでいれば、分かります。
これくらい何かにのめり込まないといけないですね。
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